長距離推進工法(1スパン)1447.6m 世界記録樹立
工事の背景
当工事の沿道には江戸時代の東海道五十三次、第33番目の「二川宿本陣」などの歴史的建造物があり、豊橋市指定史跡地区であります。
道路は生活道路であるにもかかわらず、交通量は比較的多く、起終点以外に発進立坑築造が困難で、超長距離施工を検討せざるを得ない状況でありました。
また、施工対象地盤は必ずしも均一とは言えず、礫混じり粘土からシルト混じり砂礫、到達側の下部層は洪積砂礫層及び岩盤が想定されていました。
長距離施工に付き物の障害物としては、発進から約270m付近の小河川に架かる橋台下部の基礎杭に当たる可能性がありこれに対する対応が要求されていたために、1999年岐阜県笠松町において超長距離推進工事であるΦ1100―1006mの実績を有する、CMT工法が採用されました。
工事の概要
- 発注者
- 豊橋市上下水道部
- 工事名
- 公共下水道築造工事(3工区)
- 工事場所
- 豊橋市二川町~大岩町地内
- 施工
- 鉄建建設株式会社
- 協力業者
- 株式会社 姫野組 株式会社 推研
- 推進工法
- CMT工法
- 1.推進管径:呼び径1000mm
- 2.推進距離:1447m(1スパン施工) 線形:700R-5箇所 500R-3箇所
- 3.立坑築造工:
- 発進立坑-1箇所(2 管推進用4.4m×10.8m-7.07m)
- 到達立坑-1箇所(3.2m×7.2m-5.7m)
- 流入人孔用立坑-2箇所
- 4.土被り:平均-5.21m
- 5.土質条件:
- N値-15~60
- 土質区分-礫混じり粘性土質砂~シルト混じり砂礫
- 地下水位-GL-2.94m~GL-5.0m
- 透水係数-2.9×10-3cm/sec~1.2×10-2 cm/sec
- 最多礫径-20mm~50mm
- 最大礫径-200mm
CMT工法の技術
当工事は、CMT工法の優れたシステムの中から、条件にあったシステムを
組み合わせて行われました。
今回の適用システムは
CMT工法システム | 項目 | 項目 |
---|---|---|
掘進機・面板方式 | マルチカッター方式 | ドーム型面板 |
排土方式 | 水力排土方式 | C方式 |
岩盤推進システム | マルチカッターの採用 | ビットクラッシャー交換 |
長距離推進システム | フローティングシステム | 緩み土圧抑制材注入 |
プランジャ-ポンプの設置 | ||
ブースタ-ポンプ設置 | ||
設備管の設置 | ||
2管推進発進立坑 | ||
2連中押設備 | ||
マニキュア管の採用 | ||
換気冷却設備 | ||
ビット・クラッシャ-交換 | ||
曲線推進システム | クッション材 | |
側土圧理論 | ||
管耐荷力の考え方 | ||
切羽障害物撤去推進工 | 圧気設備工 | ブロア-・ロックユニット |
豊橋市における超長距離推進工事報告
株式会社姫野組
土木第2グループ次長 正木 幹了 様 >>> ダウンロード(PDF形式約750kb)
推進工法による世界記録への挑戦 月刊推進技術 Vol. 22より
中日本建設コンサルタント株式会社
水工技術本部第3部 佐々木 理務 様
>>> ダウンロード(PDF形式約750kb)
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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