トップページCMT工法・メディア紹介月刊推進技術 Vol.24 No.8 2010 特集 礫・玉石地盤に望む Page1

CMT工法・メディア紹介

特集 礫・地盤に望む 月刊推進技術 Vol.24 No.8 2010

はじめに

近年推進工事は大口径化、超長距離化、急曲線施工等の高い技術力が要求 され、様々な技術開発が進んでいる。しかし、土質条件によっては過酷な推進工事となる玉石混り砂磯地盤の施工においては、克服すべき課題が未だに山積しているのが現状である。

当社はCMT工法協会員として、1993年に滋賀県大津市において初めて全面ローラビット装着の玉石砂牒対 応型掘進機を開発して以来当該地盤に挑戦している。本稿では、その体験例 と玉石砂磯地盤への当社の取組みを紹介する。

過去の事例

2.1 1996年岐阜県犬山市

表-1
φ900mm L= 262m R= 100m×l箇所
N値> 60 透水係数10-2 玉石・礫率70%

地山状況は、対象地盤が強固な自立性を有し、しかも150 ~ 200mmの玉石が極端に多く、推進延長80m時点で玉石の転動(カム作用)にて1回目の推進管の破損が発生した。

以後200m推進中までに6箇所において管の破損が起こり、いずれの場合も推進力が急上昇した直後に破損が発生し、破損後は推進力が低下した。破損原因となった玉石径は約150 ~ 200mmが主体で、破損発生地点は発進立坑より35 ~ 155mの間で、破損した推進管は1本目から20本目までに集中していた。

到達後の掘進機はゲージカッタがlケ所脱落。カッタヘッドの面板・外周板が異常に磨耗していた。玉石による管破損原因は周辺地山が強固で地盤反力が十分にあり、玉石の転動しやすい玉石径(10 ~ 20cm)が多いことと考える。

また、破損した推進管が20本目までに集中したことは、掘進機により乱された地山が50m程度までは安定し難いことにあると考える。

2.2 1997年愛知県江南市

表-2
Φ1000mm L = 300m
N他> 50 透水係数10-2(地下水洗あり)
玉石・磯率55~ 95%


玉石・磯率55 ~ 95%砂分の含有率3~30%まで極端に変化し土砂の取込み制御及び方向制御に非常に苦心した。また掘進機カッタヘッドが大きく損耗し内部から補強しながら到達に至った。

CMT工法は面板加圧方式で切羽の安定を図ることより、循環泥水の比重・粘性の調整は不要であるとされているが、玉石の破砕時は推進速度が変動し面板押付力が一定しない。面板押付力が変化すると切羽が不安定になり地山の細粒分の取込み制御が難しくなった。

泥水調整(比重・粘性)を試みたが直ぐに希釈され効果が持続せず、使用材料の選定や設備の検討に思考錯誤した。 また、掘進機の面板・外周板の磨耗点検を行った所、面板補強材や硬化肉盛による補強にもかかわらず大きく磨耗していた。

ただ、CMT工法はチャンバを開放することが可能であるために、チャンバ扉を開けて掘進機内部より圧気作業により切羽を安定させた後、面板・外周板の補修・補強を行えたので無事に到達することができた。

破砕された濃飛流紋岩の岩片が掘進機周辺に周り込み回転部分を激しく消耗させたことによるものだが、その度合いは当初の予測を遥かに超えるものであった。

2.3 2003年 山梨県中巨摩郡 (現南アルプス市)

表-3
Φ1000mm L= 472m R =110m
荒川扇状地堆積物:シル卜混り玉石地盤
切羽の自立性に乏しい
茅が岳火山噴出物.玉石混り砂磯地盤
巨大転石が多いΦ1000mm
黒富士火山噴出物:シルト浪り砂磯地盤
粘性土を挟む

上記互層を推進中に約330m地点で、推進力の異常上昇が起った。推進管内及び掘進機内を点検したところ、掘進機右推進力点ジャッキ部の補強板の破断が発見された。詳細に調査すると推進力点ジャッキ部のスキンプレートが推進方向に約50cm、円周方向に約30cm、中心方向に約7cm陥没していた。

それに伴い推進力点ボックス上部溶接部分および掘進機最後尾補強フランジが破断していた(写真一5内の①②で示した箇所)。

 

掘進機破損原因の詳細が不明であり、内部からの修理は不可能と判断し、掘進機破損地点にΦ2500mmの立坑を掘削して原因究明と修理を行った。掘進機を破損させた原因としては焼け砂層の存在、主因の玉石の形状・強度及び掘進機との相対的な位置が最悪の状態であったと言える。

①焼け砂
富士山の噴火砂で火山の周辺に局所的に堆積している地層。砂の粒子が相互に密着しており、粘り強さが大きいので地耐力が非常に大きい。焼け砂層が掘進機の上載地盤に分布していたので玉石転動時に大きな反力で下方に押付けた。

②玄武岩質安山岩
形状: 650×500×300の逆おむすび形一軸圧縮強度:205MN/㎡引張強度:12.4MN/㎡ (但し資料が拘束状態であると>20MN/㎡) 主因の玉石の下端が突出して曲率の小さな球面になっているため1点で集中的に加圧し、地山側の上端は曲率が大きく焼け砂より面で圧密反力を受けた。

 

ページの上へ

長距離複合推進工法|CMT工法協会サイトトップ

施工実績

代表的な施工事例です。

改築推進工法

山口県宇部市

φ840mm

大中口径管改築推進工法

 

紹介動画あり

愛知県

愛知県豊橋市

φ1000mm×1448m

500R 3箇所,700R 4箇所

新潟県

新潟県

φ1350mm

可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m

神戸市

神戸市

φ1000mm×251m

障害物

地下鉄築造時の親杭

(H300×300-9本)

お電話でのお問い合わせはこちら

06-4303-6026

CMT工法協会事務局

http://www.suiken-cmt.co.jp/

〒547-0002
大阪市平野区加美東4-3-48
株式会社推研 内

TEL 06-4303-6026
FAX 06-4303-6029
E-mail info@nullsuiken-cmt.co.jp