特集 難敵巽物に打ち克つ Vol.25 No.9 2011
GMT工法の対応
推進工の障害物への対応は予測される場合と不測に切羽に出現するものとがある。
検討、対応は基本的に同様であるがそれぞれについて述べる。
3.1 予測障害物
(1) 事前検討と対応(表- 2)
※撤去には構造物管理者との協議が必要
検討項目 | 対応 | ||
撤去可 | 撤去不可 | ||
障害物条件 | ※コンクリート構造物 | ローラピット型掘進機で通過する | 管を引き抜き、曲線推進による回避を検討 |
※PC、RC杭 | 同上 | 同上 | |
鋼材(H鋼、鋼矢板) | 火気を使用し切断撤去 | 同上 | |
流木、木杭 | 外周にゲージカッタを装備した掘進機で通過 | 同上 | |
地盤条件 | 玉石砂礫層 | ローラヘッド、モノスリット面版、出現後ローラビットやスリットを取り外し、開口部を拡大する | |
砂質土、粘性土 | 切削ピット、モノスリット面版型掘進機を使用し、出現後面版を取り外し開口部を拡大 | ||
地下水圧0.08MPa以下 | 圧気工法 |
||
0.08MPaを超える | 薬液注入工を主体に圧気工法併用 |
(2)面板の対応(図- 2, 3)
3.2 不測障害物対応
不測の障害物に遭遇した場合にどのような対応が取れるかにおいてその工法の真価が間われるところである。本工法はバルクヘッドに点検口を有しており、それを閉口することにより切羽でその障害物が確認でき、的確な対応処置が取れるのである。対処方法の検討は事前検討と同じであるが面板の対応が難しい。しかし、本工法は直接チャンバ内より面板部を改造することができるので不測の障害物にも対応できる。
検討項目 | 対応 | ||
撤去可 | 撤去不可 | ||
障害物条件 | コンクリート構造物 | 通過する。殻、鋼線が絡み障害になった場合、点検口より撤去 | 管を引き抜き、曲線推進による回避を検討 |
PC、RC杭 | 同上 | 同上 | |
鋼材(H鋼、鋼矢板) | ビットを取り外し、開口部を極力確保し、火気を使用し切断撤去 | 同上 | |
流木、木杭 | 通過し木くずがスリット閉塞等の障害になった場合は点検口より撤去する。 | 同上 |
3.3 補助工法
本工法において管中心位置で地下水圧が0.08MPa以下の場合は圧気工法を使用している。それ以上の地下水圧がある場合は薬液注入工による地盤改良を主体とし、より安全性を確保するために圧気工法を併用している。薬液注入工は地上だけでなく管内注入工法も検討する(写真-1、2)。
施工実績
4戸施工実績
4.1 予測障害物対象工事
(1)H鋼(図-5,6、写真-3~5)
発注者: 神戸市水道局
工事名: 中央(加納町他)中層連絡管新設工事
施工年度: 平成21年度
施工場所:神戸市中央区生田4丁目~中山手通2丁目
呼び径: 1000
推進延長: L=250m
土被り:3.99m(平均)
土質: 玉石砂層
障害物: 地下鉄築造時の土留残置親
杭 H-300×300 9本(撤去可) 障害物H300×300 N=9
補助工法: 薬液注入工+圧気工法
(2)木杭(図-7、8、写真-6~9)
発注者:いわき市
工事名: 公共下水道平汚水専用幹線築造工事
施工年度: 平成20年度
施工場所: いわき市平字正内町地内
呼び径: 1100
推進延長: L=720m
土被り: 9.9lm(平均)
土質:砂層
障害物:流木、木杭(撤去可)
補助工法: 圧気工法
4.2 不測障害物対象工事
(1)不明金属物
(図-9、写真-10~13)
発注者:美濃加茂市
工事名:本郷雨水幹線築造工事(第6工区)
施工年度:平成21年度
施工場所:美濃加茂市本郷町8丁目他1地内
呼び径:1200
推進延長:L=249m
土被リ:5.38m(平均)
土質:玉石砂礫層
障害物:不明金属物(撤去可)
補助工法:圧気工法
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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