特集 難敵巽物に打ち克つ Vol.25 No.9 2011
はじめに
大中口径管推進工事で長距離化推進と言われて久しい。しかしこれを確実に施工するためには次の課題を克服しなければならない。
- (1)予測外の急激な地盤変化
- (2)予測外のビットの磨耗、欠損に対するビットの交換
- (3)予測外の障害物
しかし、上記現象は推進距離には関係なく、密閉式機械推進工法では克服しなければならない課題なのである。それらに遭遇した場合、障害物除去作業は地上対応、機内対応のいずれにおいても確実性と安全性が求められる。
CMT工法(複合掘進機)(以下、本工法)は機内より対応するが、切羽を目視、確認の上確実な対策と、作業員に対してもより安全な対策が講じられるのである。本稿では本工法による障害物対応について報告する。
GMT 工法の基本的特長
本工法を開発したコンセプトは『機内ビット交換が出来る掘進機』であった。当時の岩盤推進はビットの磨耗が発生し、交換せざるを得ないときはその時点で立坑を掘削しビットを交換していた。
この状態では計画的な推進工事は不可能である。そこで、呼び径800より「いつでも」「どこでも」自由にビット交換ができる掘進機を開発した。本工法は隔壁(バルクヘッド)に点検口を設置したことにある。
点検口寸法(mm) | B×H | B×H | B×H |
360×420 | 360×450 | 500×500 | |
呼び径 | 800~900 | 1000~1650 | 1800~3000 |
その点検口の扉を開閉することによりビット交換が機内より可能となった。ビット交換用立坑を設置する必要が無くなり計画的な推進計画が立案できる。その点検口を利用し機内ビット交換と同じ要領で障害物の撤去等に対応している。
推進中に切羽の異常(切羽抵抗の増加、掘削音、振動)や排出土より混入物を確認すれば先ず推進を中止して点検口の扉を開ける。チャンバの中から切羽の状況を直接目視することにより正確に現状を把握することができるので的確な対応策が取れる。
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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