特集 再構築の切り札 Vol.26 No.4 2012
開発のコンセプトは
これまでに開発されている回転破砕推進工法のほとんどは、小口径クラスが多く切羽の確認やピット交換というと言う事は引抜く以外では不可能です。
地中での鉄筋の切れ方、カラーがある場合はカラーの切断状況等確実なる施工が出来ているか?地山の取り込み状況等を確認する術がありません。改築推進を実施しようとする現地は完成した街であることがほとんどで、改築推進の施工中および施工後の陥没事故等が起きては何のための改築推進かと問われてしまいます。この様なことによりCMT式改築推進開発のコンセプトは、
(1)絶対確実な工法であること
切羽の確認およびさまざまな切羽の対応がとれること
(2)切羽の動きの変化に対し、目視出来る安全確実な対応を有すること
点検扉より圧気等の補助工法を使用して安全な対応がとれること
(3)旧管路の弛み等確実に修正できること
CMT工法の得意分野である岩盤の半岩半土の推進技術の応用
(4)管種によっては並行作業を可能にし経済効果を高める
A型管や旧型カラー管の継輪撤去作業と推進工事の並行作業を可とする
(5)作業中のビット交換を可能にする
ビットの刃こぼれ等で、無理な推進をしないよう何時でも交換を可能にする
(6)旧管材を極力残さない
以上の事をコンセプトとして各種実験を繰り返しました(写真-2~5)。
実験結果より
地上実験、地下推進実験等を繰り返して見えてきたことは
(1)コンクリートを破砕する事はさほど難しくない
(2)鉄筋を一定寸法で連続的にそして確実に切断することは至難の業である
(3)極端にコンクリート強度が落ちているときは鉄筋を切断することは出来ない
(4)A型管、旧カラー管は継輪を機械で完全処理することは無理である
(1)については、たとえ強度が高くても圧壊方式で均一なコンクリートを破壊さすことは容易であります。
(2)については、ヒューム管の場合の配筋は軸筋とスパイラル筋の2種類で構成されています。配筋の方向性が異なる点で両鉄筋ともを切断することは難しくなります。通常の場合、スパイラル筋が連続するため、切削の刃型の向きはスパイラル筋で決まり、軸筋については、延びて倒れた状態によりスパイラル筋と同様な切断となります。この時コンクリートの破砕状況や周りの土砂の取込み状況により切断されるタイミングにズレが生じ一定長での切断が難しくなります。そして、又スパイラル筋は螺旋状に鉄筋が巻かれている関係で、掘進機の切削回転方向によっても鉄筋が切れずにコンクリートが破壊し長い鉄筋で回収されることにつながってまいります。
(3)について、硫化水素等でコンクリートが腐食され、極端に強度が落ちた場合やもっとひどくコンクリートも鉄筋も完全腐食で穴が開いた状態の場合には、少なくとも穴の近辺のコンクリートの腐食は激しく、又鉄筋の切断は無理となります。これは鉄筋を切断する時のコンクリート側の支持力がとれず、コンクリートが先に破壊し鉄筋が切れずに残るという状況になるからです。
(4)については、A型管の場合推進方向がカラーの受口より切削し始めたとしても、カラーの固着部分が破壊されだすと、カラーの固着が外れ、カッターの回転と同様にカラーが回転し、カラーの切削による切断はほとんど確実性が無い状態になります。
以上の実験の結果より判明したことは、鉄筋が切れずに推進を続行すれば、鉄筋同士が絡み合い、1つの壁を形成し、さらに、そこに土砂が入って壁の形成を助長する。この様な状態を呈した場合、掘削土量が正常か否かのチェックは非常に難しい。さらに、カラー管であった場合には、より複雑な動きをし、安全確実な施工管理は難しくなるのではと推定します。
この様な状況を考えた場合、A型管やカラー付き管に対しての施工は、800mm以上の管径に対しては、事前にカラー部の切断を実施し、モルタル等に置換する(旧管内を圧気等で保護し継輪部をコンクリートカッター等で切断除去し撤去部をモルタル等に置き換える)ことにより、改築推進の連続掘削を可能にします(写真-6、7)。
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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