投稿 阪神大水害の爪跡、巨石群を穿つ(うがつ) Vol.27 No.9 2013

はじめに
神戸市水道局では、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて災害に強い水道づくりを進めている。現在進めている大容量送水管整備事業は、水源の4分の3を阪神水道企業団からの受水に頼っている神戸市において、六甲山山麓部の既設送水トンネルの災害時における危険分散も考慮し、新たに市街地を通る耐震性の高い送水幹線を整備することを目的としている。
この大容量送水管は、通常の送水能力を強化するだけではなく、既設送水トンネルが被災した場合や更生工事の際のバックアップ機能をもたせる。また、災害時にはその貯留機能を利用して、市街地の防災拠点における応急給水にも対応できるものである。
本工事は大容量送水管篠原支線の一部であり、大容量送水管で既設配水池まで連絡するものである。
昭和13年7月3日夕刻から降り始めた豪雨により5日13時迄にその降雨量は六甲山頂付近で616mm、市街地でも468mmに達した。
六甲山南麓の急峻な多数の河川に土砂・巨石・大木が流れ下り土石流となり神戸市及び阪神地区に死者616名、家屋の倒壊・流出3,623戸、埋没家屋854戸にも達する被害を生じさせた。当該篠原地域はこの阪神大水害の被害をまともに受けた地域である。
六甲山の岩質は主として花崗岩質で、風化し脆くなっていたためこのように大きな土石流が発生し、六甲山南麓の篠原地区の地下には現在も土石流の爪痕とも言うべき1.5mを越える巨石が群をなして堆積している。
ここに報告する工事はこの花崗岩質巨石群の中をφ1,000mmの鉄筋コンクリート管を用いて推進施工するものである。当該工事はこの巨石群を通過するばかりではなく閑静な住宅地内での到達間際で幹線道路を横断しなければならないという地形条件や巨石群の中でのR=55mの急曲線区間、縦断勾配もLEVELから62.8‰へ変化するバーチカルカーブの存在、更に対象地盤は無水層であることなど、推進工事にとっては技術的に厳しい施工条件の揃った工事であった。
当該工事に先行して近隣地区でφ1,800mmのシールド工事を施工したが巨石群に遭遇し、ビットの損耗をはじめとして種々のトラブルに見舞われ、施工には随分と苦労した。
以上のことから検討の結果、岩盤推進工事用に開発され、岩盤対応や巨石対応に多くの実績を持つCMT推進工法を採用し、巨石対策や急曲線対策を施した特別仕様の機種で挑戦することとした。
結果、施工精度や工期も計画通りの成果を得て、心配された振動や騒音による住民への影響は殆どなく、さらには下流部の灘五郷の酒造りに欠かせない宮水へも影響を及ぼすこともなく竣工することができたのでその概要をここに報告する。
【工事概要】
工事名: 篠原支線(灘低層連絡管) 整備工事その1
工事個所:神戸市灘区篠原中町6-1から灘区薬師通1-1
発注者: 神戸市水道局
推進延長: L=330.735m(斜距離331.33m)
曲線: VCR=700m R= 300m R=55m
縦断勾配: ±0~+62.8‰~+69.3‰

施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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