CMT応用工法
CMTリタ-ンシステム
推進工法において、シールド管路に合流させる「T字接合」や「既設人孔への到達」で、到達点より掘進機を回収することが出来ない場合に発進立坑へ引き戻して回収するシステムが『CMTリターンシステム』です。
シールド管に合流させるべくCMT掘進機が既設構造物外殻に到達すると「CMT圧気工法」を併用して、チャンバー内より接続部地盤改良体の状態確認、地下水の有無・量、出水箇所を目視で確認して安全な環境を確保します。
この作業が可能なのは、CMT複合掘進機は全機種隔壁に設置された点検扉を介してチャンバー内に作業員が立ち入ることができるからです。
掘進機を再び動かす必要がないので、止水注入の種類・薬液材料の選定に制限が無く確実に止水効果が得られます。
地盤改良と圧気工法の併用により「CMTリターンシステム」は大部分の作業をマシン側から安全に施工できるのが最大のメリットです。
施工に万全を期したCMTリターンシステム。
特長1
CMT複合掘進機は切羽への押付け力を管理する機構を有し、オペレーターの圧力管理により取付け構造物に無理な負荷を掛けずに、構造物を傷つけることなく確実に到達させることが出来ます。
特長2
CMT複合掘進機は隔壁に設けた点検扉を開放してチャンバー内より直接切羽の状況の確認が出来ます。地下水がある場合は「CMT圧気工法」を併用して切羽の確認や接続作業等が施工出来ます。(0.08MPa以下)
「CMT圧気設備」⇒ 「ブロアーユニット」「ロックユニット」
特長3
掘進機カッター外殻とシールド外板を(土砂防護板)溶接により接続して止水及び山留が完了しますと、二次覆工作業等は圧気の必要もなく管路接続作業が安全に出来ます。シールド管路側や人孔側での作業は殆んどありません。
特長4
掘進機部は鋼板を使用して構造物と一体化を図り、内面は樹脂モルタルを塗布して最終仕上げとします。
CMTリターンシステムは接合部の地盤改良に加え、圧気工法によって確実に止水することにより接合部を長時間にわたり開放して施工する事ができます。 このために既設構造体と推進管路部の接続構造も地震などにも耐える複雑な施工が可能となりました。
なお、圧気設備は、従来からCMT工法で用いられているコンパクトな「ブロア-ユニット」と「ロックユニット」を使用するので、容易に圧気工法を採用する事ができ安全でしかも経済的なリターンシステムが確立されました。
また、これらの取り付け作業は殆どが推進部側での作業となるので、シールド管路側や人孔側での作業が殆どありません。数キロにわたるシールド管路の中央部分など既設構造物側からの施工が困難な条件下でもCMTリターンシステムは対応できます。
作業手順
1.掘進機到達
推力点総推力圧の上昇から掘進機の到達を確認する
2.圧気準備
ブロアーユニット設置 ロックユニット据付け⇒ 圧気開始
3.切羽確認
全体圧気を掛け点検扉を開けて切羽の止水状況等を確認する
4.面板撤去
切削ビット 面板を取り外す
5.土砂防護板
上半部、下半部の順にブームを切断し、土砂防護板を既設構造物と切削部外板に溶接で取り付ける ⇒ 止水及び山留処置完了
(圧気作業終了)6.本体引抜き準備
推進管内の配管材 ケーブル類を撤去する
7.クラッシャー撤去
クラッシャーを取外し発進立坑へ引出す
8.掘進機撤去
前胴・後胴の取付けボルトを外し立坑へ引出す
9.タレット撤去
タレットに車輪を装着し立坑へ引出す
6.構造物切断
機内より到達構造物を切断撤去する
7.巻込み鋼板
巻込み鋼板を所定の位置に取付ける 小口部仕上げ
8.坑口鋼板取付け
坑口鋼板を取付け中込コンクリート施工
9.樹脂モルタル
鋼板内面に樹脂モルタル仕上げを施工
施工例-ID3500mmシールド管路へのT字接合(2017年1月)
工 事 名 江ノ口雨水貯留管築造工事(27-1)
発 注 者 高知市上下水道局下水道整備課
管径/土質 φ1650mm シルト 砂礫
工事概要
JR高知駅前より北側に管径φ1650mm の推進管をL=415m推進してID3500mmのシールド管路にT字接合する工事です。
セグメントの外面が鋼構造になっているので掘進機外殻と一体化を図り安全に施工できた。
(1)
所定の位置付近で掘進機の推力点総推力が上昇したので掘進を止める。カッタートルクに変化はないが推力点総推力は下がらないので到達を確認する。後日セグメント外板にセンタービットの跡が確認されたが、セグメントに変形等は無かった。
(2)
地盤改良体において掘進機外周の止水の為に懸濁型薬液注入を行う。
(3)
圧気設備を設置して管内全体圧気を掛ける。切羽に圧気を送り止水効果を確認し点検扉を開ける。切羽状況を観察・確認して安全が確保できたので次工程に進む。
(4)
切削部面板のビット、マンホール蓋等を外して上半分から面板・ブームを切断し土砂防護鉄板をセグメントと切削部外板に溶接する。同様に下半分にも土砂防護板 を取付ける。全周に土砂防護板が取付けられると止水・山留が完了して切羽崩壊の危険性は無くなり圧気作業を終了します。
(5)
推進管内の配管 ケーブルを撤去すると共に掘進機内の取付けボルトの撤去、支障箇所の切断を行います。まず、本体を発進立坑へ引出します。次にタレット(ベアリング部)を引出しますが推進管とのクリアランスが少ないので慎重な操作が必要とされます。
(6)
掘進機は外殻を残すのみになり、セグメントはコア抜き機を使用して撤去します。2次覆工として巻き鉄板を掘進機外殻胴に溶接し、シールド内面に坑口鋼板をアカ-ボルトで固定して巻き鉄板と溶接一体化させます。
(7)
巻き鉄板に取付けた注入孔より、掘進機外殻胴内、カッター外板、土砂防護板部に中込コンクリートを施工します。巻き鉄板内面は樹脂モルタル仕上げとし完成となります。
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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