トップページCMT工法・メディア紹介月刊推進技術 Vol.24 No.10 2010 特集 最先端技術を探せ Page2

CMT工法・メディア紹介

特集 最先端技術を探せ Vol.24 No.10 2010

3.4 曲線対応
曲線対応については推進計画の中でも重要な項目です。推進の管破損のほとんどが曲線部にて起きているといっても過言ではないでしょう。CMT工法協会では十数年前よりパルリングを使用して独自に管の曲線耐荷力を計算し十分に安全であるかをチェックしながら推進計画をおこなっております。

管材もJSWAS A-2、JSWAS A-8等4種類の管材の各曲線に対する耐荷力を計算し安全で経済的な管を組み合わせて曲線に対する安心施工の計画が必要です。

3.5 障害物対応
長距離計画の中で時に流木や杭および障害物に遭遇することがあります。この様な時も3.3の地盤対応の項でも述べたように、極力補助工法として薬液注入工法等の併用は避けたいものです。途中での薬液注入は管周のクリアランスを埋めてしまい推進力増大の危険性があります。CMT工法ではこのことより圧気工法を利用してビット交換や障害物の撤去等の作業を実施しております。

3.6 測量計画
測量計画は管径の大小により大きく難度が異なります。やはり1000mクラスにおいての長距離は管内の設備等が大きく影響し測量作業を非常に難しくしています。自動測量システムについても効率的、経済的両面より検討する必要があります。

さらに測量精度の確保を行うための工夫が必要となります、たとえばセンタ測量の基準は発進立坑の前後に設ける下げ振りです。下げ振りには糸の太さがあり、トランシットのクロスヘアと重ねて視準するため糸の太さが測量精度の限界となります。

これに加えてトランシット自体のレンズの歪みやクロスヘアの誤差が加算されます、トランシットの角度をバーニヤで読んでいた頃はバーニヤが最大の誤差の原因でした、現在のトランシットの角度読みは電気的にロータリーエンコーダで読み取るので誤差がほとんど無くなりました、したがって現在では下げ振りの糸の視準誤差が測量誤差の主因となっています。

3.7 掘進機の選定
掘進機の選定に必要な要素は①土質条件②曲線施工条件③その他(ビット交換、障害物等)などがあります。

  1. 土質条件

土質条件によりカッタ型式、掘削に必要な トルク、地山押付能力等が決まります、その中でも重要な項目はカッタ形式です、一般にCMT工法におけるカッタ型式は

    1. 切削面版型:普通土
    2. 切削ブーム型:軟岩(砂岩、頁岩)
    3. ローラヘッド型:玉石砂礫、中硬岩
    4. マルチカッタ型:複合土質

などがあります。

(2)曲線条件
曲線条件により掘進機として中折型を採用するか否かが決定されます。基本的には管径の100倍未満の曲線半径がある場合は中折れ型掘進機(2折、3折)を採用します。
(3)その他
ビット交換や障害物の有無により点検扉等の掘進機機能及び補助工法の検討が必要です。以上のような、長距離推進計画に基づいて各種の設備計画が進められます。

作業の確実性と今後の課題

現実の仕事を考えた場合、土質の変化や突然なる障害物に対する対応がー番難しく、特に距離が延びてからのこの問題で時聞を費やすと推進力抵抗の増加が著しく、時に推進不能に陥ってしまうことも考えられます。

事前の土質の変化対策としてどのような手順でやるか決めておき、全て準備をしておく必要があります。玉石砂礫地盤から粘土地盤に、そしてまた玉石砂礫地盤に・・・この繰り返しは現場にとっては非常に苦しい対応となります。カッタヘッドとしては全く異質のもので無理をして推進しようにも進めず、結果として推進力増大につながったりビットの破損に繋がり余分な仕事の連続となります。

土質の変化の繰り返しの兆候が出れば、再度土質調査を小まめに行い、変化を早くつかんで対応を間違わないようにすることが非常に大切です。この時に地盤改良等を繰り返して推進抵抗に影響を与えてしまうと命取りとなることに繋がります。

CMT工法協会では、様々な障害物(シートパイル、H鋼、PC杭、RC杭、木杭、流木、ワイヤ等)を体験していますが、事前に分かつていてそれなりのカッタ等に配慮ができている場合と何も予定していない時では、処理時間にかなりの差がでます。

極力情報を収集しておく必要があります。長距離の工法としては水送排土方式の採用となることは必然的に決まりますが、送排泥パイプや中継ポンプ等も摩耗損耗で破損事故となることもあり、その対策が必要となります。

長距離計画で述べたすべてのことを時間的ロスなく実施していく最大のポイントは、切羽の確認方法を確実にまた手軽に実施できる掘進機であること。さらに土質に対する変化の対応策を素早く実施できる機敏性を持つことにつきます。数百mを過ぎてからの時間のロスは長距離推進の命取りとなりますので、事前の準備対策が非常に重要な項目となります。

CMT工法協会では、様々な長距離推進の体験を踏まえて技術的にも一歩一歩前進して参りましたが、未だに再度長距離推進の施工となると幾つかの新しい体験をし、これを土台により精度の品い確実なる施工となるよう努力を続けております。今後もさらなる技術の研讃を積み重ね、より安定した長距離推進の開発に努力する所存です。

 

 

ページの上へ

長距離複合推進工法|CMT工法協会サイトトップ

施工実績

代表的な施工事例です。

改築推進工法

山口県宇部市

φ840mm

大中口径管改築推進工法

 

紹介動画あり

愛知県

愛知県豊橋市

φ1000mm×1448m

500R 3箇所,700R 4箇所

新潟県

新潟県

φ1350mm

可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m

神戸市

神戸市

φ1000mm×251m

障害物

地下鉄築造時の親杭

(H300×300-9本)

お電話でのお問い合わせはこちら

06-4303-6026

CMT工法協会事務局

http://www.suiken-cmt.co.jp/

〒547-0002
大阪市平野区加美東4-3-48
株式会社推研 内

TEL 06-4303-6026
FAX 06-4303-6029
E-mail info@nullsuiken-cmt.co.jp