投稿 安定した切羽管理が生む安心工法 CMT改築推進工法 No-Dig Today No.81 (2012.10)
(2)施工状況
立坑掘削時点で、既設管が設計計画の位置より100mm下がっていることが判明しました。既設管と新設管の相対位置関係は図-2の通りで既設管下部に未切削部分があり更に前述の通り老朽欠落部分が有るために既設管の実切削量はかなりの減となりました。既設管の切削状況の測定結果は殆ど無負荷で切削出来、鉄筋長さは50~100mm程度で回収され稀に500mm程度のものがありました。添加材を用いて塑性流動化させて切羽面の安定を図りましたが、鉄筋はこの泥土と混じりながら安定して搬出されました。切削断面と搬出鉄筋量を計算するとほぼ全量の鉄筋が回収されています。
切羽の土圧管理及び排土管理を実施した結果、切羽崩壊などは皆無で施工ができ、日進量は約2.45m/日とほぼ計画通りの成績で竣工できました。
ただ、発進坑口より約23m付近で切羽管理数値に異常が見られ切羽異常と判断し、直ちに準備した送風ブロアー及び圧気用ロックを作動させ約0.02MPa程度の弱い圧気圧により切羽面の保護を講じた後にバルクヘッド扉を開放して切羽を目視点検しました。当初から懸念していた鋼板(12×700×700mm)数枚が障害物として存在する事が検知できたために、直ちに対処ができ、大事に至る事はありませんでした。(写真-9)また、既設管の下部を残置し破砕する状況のなか精度管理を心配しましたが、一般的な推進工法としての仕上がり精度と変わることのない精度で、ほほ工程通りの日程で工事を完了する事ができました。(図-3)
おわりに
大中口径管の改築推進工法を焦点にしたCMT改築推進工法の初弾工事が成功裏に完了し、開発関係者は安堵したことは事実です。
改築推進工事は一般推進工事と異なり非常に厳しい条件があり、机上設計や工場実験、更には地下模擬実験を重ねたとしても実際の現場においてそれらが直ちに応用できるか否かが判明できないほどです。
しかし、私たちが改築推進工法の開発に当たり基本命題とした「切羽の管理が最大の課題である」との考えは正しいとの確信を得ることができました。現在協会では推進管の継手問題の解決に挑戦しており、この問題が解決できれば今回の実績と合わせて、CMT改築推進工法は大きく発展するものと考えております。ご期待ください。
最後になりましたが、当該工事に関してご指導くださいました宇部市下水道部下水道維持課の皆様はじめ施工関係者に甚深なるお礼を申し上げます。
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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