投稿 安定した切羽管理が生む安心工法 CMT改築推進工法 No-Dig Today No.81 (2012.10)
はじめに
我が国の下水道事業にとって改築推進工法の開発が喫緊の問題である事はあらゆる場で示されています。
しかし、これほど発展した推進工法にあっても、大中口径の改築推進工法の分野では、施工実績が非常に少なく、宇部市はその発注に頭を悩ましていることをお聞きしました。
その原因として考えられることは、改築推進工事においては一般推進工事と異なり施工場所がほぼ完成した市街地であり、地中上部には電気、ガス、水道など他の重要なライフラインが輻輳しており、地上には建造物が接近しているために慎重な上にも慎重な切羽管理が要求されます。しかしその切羽には旧埋設管が存在するために均質な地盤もしくはそれに近い地盤は皆無で、 しかも旧埋設管そのものも敷設時の施工方法により巻き立て材が異なるほか同一路線内においてもその管老朽度が異なるなどその条件は複雑極まりないと言えます。このような条件下で安定した施工をしなければならないために改築推進工法の開発は非常に難しいと言わざるを得ません。
CMT改築推進工法の目指すところ
CMT推進工法は約30年前に『如何なる条件下においても安全に安心して工事を完遂する事』を基本理念に、当時は非常に難しいと言われていました岩盤推進に挑戦しました。その為にCMT工法の掘進機は異常なほど強力な切削能力を持ち、バルクヘッドの扉を開放することにより機内から切羽を直接点検することが出来る特殊な機構を持っております。この機構はCMT推進工法を岩盤推進に留まらず超長距離推進や障害物対処可能な推進工法など基本理念に適う工法へと発展させるための原点となりました。
CMT改築推進工法の開発に当たっても従来の特色ある機構を更に発展させて安定した切羽管理を実現し、安心して施工が出来る改築推進工法を目指しました。
具体的には
(1)切羽の推進力管理及び土量管理を徹底した、絶対確実な工法
(2)目視による切羽点検を可能にした、確実な切羽管理工法
(3)旧管路の弛みなどにも対応可能にした、全方位的工法
(4)旧管が推進管の場合にも対応した、継手排除が可能な工法
(5)推進延長も考慮した、機内よりビット交換が可能な工法
(6)旧管の破砕残滓を極力回収する、環境対処工法等を開発のコンセプトとしました。
CMT改築推進工法の開発は2005年度より本格的に取り組み、工場内実験では下水道用鉄筋コンクリート管の切削実験に始まり、試作機による掘進実験や残土取り込み実験を完了させ、2007年には実施工を想定した地下実験を試み一部はコンサルタント数社に公開を致しました。
その結果、当初問題とした鉄筋コンクリート管を容易に破砕切断できるピットの開発に成功しましたが、鋼製継手の切断除去は非常に困難である事や、切羽の管理には多岐に亘る問題があることが認識され、これらの問題を一つずつ解決して参りました。平成22年にこれらの諸問題に関して一応の解決策を決定し、CMT改築推進工法1号機を完成させることとなりました。
平成24年5月、山口県宇部市発注の「第72工区西部浄化センター合流幹線(改築)工事」においてCMT改築推進工法の初弾工事に着手し、同年6月成功裏に竣工させていただきましたので、此処にその概要を報告いたします。
施工実績
代表的な施工事例です。
山口県宇部市
φ840mm
大中口径管改築推進工法
紹介動画あり
愛知県豊橋市
φ1000mm×1448m
500R 3箇所,700R 4箇所
新潟県
φ1350mm
可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m
神戸市
φ1000mm×251m
障害物
地下鉄築造時の親杭
(H300×300-9本)
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