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特集 推進技術「きほんのき」 Vol.27 No.6 2013

推進力計画の考え方

現在では推進力計画の考え方は、基本的に泥水式、土圧式、泥濃式にかかわらず次の式がベースとなっております。

F = F。+Σ(fn * En * Ln)

F:総推進抵抗 kN
F。:先端抵抗 kN
fn:管の外周抵抗 kN/m
En:曲線抵抗割増抵抗
Ln:区間延長 m

泥水、泥士、泥濃式推進工法によりF。、fn、Enの考え方が少し異なるだけでそんなに大きく変わるものではありません。

参考としての下記の条件による推進力計算をCMT工法で行うとすれば概略は次の様になります。

土質による外周抵抗値を決め各曲線における割増係数を決定します。

外周抵抗値を岩盤9.651kN/m、砂礫で5.579kN/mとし曲線割増抵抗R = 100mで1.33、R=75mで1.44、R =50mで1.66また先端抵抗を530kN として計算を行います。

総推進力は4755.8kNとなります。

ここで支圧壁能力がどの程度確保できるかを決め、管材を決めるわけですが、管材にはA-2、A-8、合成管等種類があり決定するには、各曲線における軸方向耐荷力および軸方向換算耐荷力をA-2の1種から順次算出し、使用する管の許容耐荷力を決定します。

3.1 軸方向耐荷力とは

各管種において、曲線の始曲点で推進方向に伝達することができるコンクリートの許容応力度より算出した最大推進力伝達能力です。

【軸方向換算耐荷力とは]
各管種において、曲線の始曲点で、これ以上の推進力を掛けると側土圧により管にひび割れが発生するという管メーカが公表しているひび割れ荷重から換算した最大推進伝達力です。

3.2 曲率別許容曲線推進力伝達能力

従って、軸方向耐荷力・1種と軸方向換算耐荷力・1種を比較し、軸方向換算伝達力が低い場合、軸方向耐荷力に余裕があっても軸方向換算耐荷力以上の推進力を負荷することはできず、2 種管、3種管等を用いなければなりません。(参考例としてA-2のみ掲載)

元押で可能な推進延長は次表のようになり元押で366m推進するとR= 100mの曲線耐荷力に近づくため推進停止、次に先頭より181m地点に予め第1中押を設置し、これを作動さすことにより150m推進すると第1中押がR= 75mにかかるゆえ推進停止、残49m を推進するのに先頭より70m地点に予め第2中押を設置してこれを作動させることにより49m推進して貫通となります。

中押は原則曲線部の作動は禁止とします。

以上はあくまで計画ごとであり実施工でこの計画範囲内で施工できるよう管理していく必要があります。

推進力の変化から何が見えてくるか

手掘りの時代であれば、切羽前面の土質状況に応じて山止めの工夫、掘り方の工夫をしながらセンタ、レベルに注意して推進を実施するのが一般的で、地下水対策については別途薬液注入工法や揚水工法、圧気工法というものに頼りながら実施するのが通例でした。

近年機械推進に変わり地下水対策も含めた推進が常識となりより早く、より確実な施工が要求されています。ここにCMT工法においての操作上の留意点をあげます。

 

表-1

区間

測点

区間距離

線形

土質

1

 

150.000

直線

直線

岩盤

2

 

35.000

R1

100

岩盤

3

 

150.000

曲直線

曲直線

砂礫

4

 

40.000

R2

75

砂礫

5

 

120.000

曲直線

曲直線

砂礫

6

 

30.000

R3

50

砂礫

7

 

40.000

曲直線

曲直線

砂礫

到達立坑

 

 

 

累計延長

565.000

 

 

 

表-2

区間

区間距離

曲率半径

土質

外周抵抗力(kN/m2)

曲進割増係数

管の許容耐荷力(kN)

区間推力(kN)

先端からの累計推力(kN)

1

150

直線

岩盤

9.651

1

4233.3

1447.7

4755.8

2

35

100R

岩盤

9.651

1.33

2071.1

449.3

3308.1

3

150

曲直線

砂礫

5.579

1

3785.9

836.9

2858.8

4

40

75R

砂礫

5.579

1.44

1748.6

321.4

2021.9

5

120

曲直線

砂礫

5.579

1

3785.9

669.5

1700.5

6

30

50R

砂礫

5.579

1.66

1156.9

277.8

1031

7

40

曲直線

砂礫

5.579

1

3785.9

223.2

753.2

 

到達

先端抵抗

 

530

 

 

4225.8

530

 

L=

565

 

m

 

 

 

 

 

表-3

 

表-4

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図-1

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施工実績

代表的な施工事例です。

改築推進工法

山口県宇部市

φ840mm

大中口径管改築推進工法

 

紹介動画あり

愛知県

愛知県豊橋市

φ1000mm×1448m

500R 3箇所,700R 4箇所

新潟県

新潟県

φ1350mm

可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m

神戸市

神戸市

φ1000mm×251m

障害物

地下鉄築造時の親杭

(H300×300-9本)

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